−−−混沌の闇の夢幻−−−序章−−−
一博之
ある日曜の朝、俺はみんなとある駅の前に来ていた。
志保「それにしても芹香先輩も遅いわね〜。」
保科「そやなー少し遅過ぎへんか?」
松原「そうですね、何かあったんでしょうか?」
宮内「大丈夫ヨ、急がば回れとも言うネ。」
神岸「ちょっと違うと思うけど。」
みんなと言ってもここに集まっているのは、あかり・志保・レミィ・委員長・葵ちゃんと俺しかまだ来てない。
理緒ちゃんはバイト、マルチはメンテナンスで研究所、琴音ちゃんは家の用事、雅史にいたってはサッカーの練習試合があるらしい。全く雅史もんなもんほっとけばいいのに、って無茶か・・・あと俺達を遊園地に誘ってくれた先輩と綾香がまだ来ていないだけだ。
キキィーーーーーーー
しばらくするといつもの音でじじぃの運転する来栖川家の車が来た。
セバス「お嬢様到着いたしました。」
綾香「ごめんごめん。姉さんが準備に手間取っちゃって。」
芹香「・・・・・・・・。」
浩之「え?すみませんって。俺達の方が連れていってもらうのに謝る必要ないよ。」
松原「ところでどうやってこんなに沢山もの無料パスポート付き入場券はどうしたんですか?」
綾香「あぁそれはね、これから行く遊園地が来栖川のスポンサーだから何だけど沢山送られて来ちゃって。」
浩之「で?どんだけ送られたんだ?」
綾香「ざっと100枚。」
芹香「・・・・・・・・。」
浩之「え?綾香ちゃんそれは言い過ぎです、全部で85枚しか有りませんでしたって?それだけでもすごい気がするんだけど・・・。」
そうこうと話があって遊園地に着いた。
松原「先輩まず何に乗ります?」
志保「ヒ〜ロ〜もちろんまずはフリーフォールやブラックウッズ(絶叫マシン)よね。」
保科「いや、まずは少し落ち着いたもんからやろ。」
志保「え〜つまんないじゃ〜ん。」
神岸「あっ此処のマスコットって熊なんだぁ。」
あかりの歓声で気が付いたが、確かに熊の着ぐるみが風船を小さい子に渡している。
宮内「オウ、射的も有るヨ。」
浩之「レミィあまり個人行動はするなよ。」
宮内「わかったヨ、ヒロユキ・・・。」
神岸「やっぱり熊は良いよね〜ね〜浩之ちゃん。」
浩之「そうか?」
神岸「そうだよ、浩之ちゃん。」
あかりに言われて熊の方を見た、すると熊は子供達にもみくちゃにされて風船を全て放してしまう所だった。
遊園地に来ていた子供達「うわぁ〜〜〜〜〜ん。」
子供達が泣いてしまって少し困っていた熊も新しい風船を取りに行った、しかしその途中で転けてしまった、頭の所がコロコロとはずれて転がっている、熊の方を見ると其処にいたのはバイトがあるからと来なかった理緒ちゃんだった、理緒ちゃんは頭を手に取るとかぶりながらセンターの中に入って行った。
松原「先輩、今のって理緒先輩ですよね?」
いつの間にか一緒に見ていた葵ちゃんが聞いてきた。
浩之「そうみたいだな・・・。」
とにかく俺達は遊園地で楽しく遊び始めた。しかし先輩は何やら本だけを読んでいて全くアトラクションには参加しなかった。
浩之「先輩、先輩も何かに乗りません?」
芹香「・・・。」
浩之「え?結構ですって?」
芹香「・・・(こくん)。」
浩之「先輩が誘ってくれたのに先輩も楽しまないと。」
芹香「・・・・・・・。」
浩之「え?こうしているだけでも楽しいですって?」
芹香「・・・(こくん)。」
松原「先輩!早くあれに乗りに行きましょう。」
葵ちゃんがアトラクションに誘いに来たすると他の連中も誘いに来た。
神岸「浩之ちゃ〜んあれに乗ろ〜よ。」
保科「藤田君!あれ乗りに行かへん?」
志保「ヒロ〜あそこに行って見れ〜。」
浩之「志保、珈琲カップがどうしたんだ?」
志保「3・4人ずつで乗るわよ〜。」
浩之「あぁ別に良いけどどうしてだ?」
志保「ふっふっふそれは乗ってのお楽しみよ!」
浩之「なんかやだなぁ・・・。」
という訳で俺らは志保に連れられて珈琲カップ前に来た。
浩之「葵ちゃん一緒に乗るか?」
松原「はい!有り難うございます!」
志保「だめだめヒロは私とだけよ!」
浩之「なんでだ?」
志保「良いから良いから、あと私と乗りたいのいる〜?」
浩之「何でお前となんだ?」
綾香「ふ〜ん面白そうじゃない、やってやろうじゃないの。」
志保「それじゃあ、けって〜い!」
浩之「だからなんなんだって?」
志保「珈琲カップと言ったら決まってるじゃない『高速回転カップ』よ!」
浩之「はぁ?なんだそれ?」
志保「良い質問ね!いい?珈琲カップって言うのは真ん中にある小さいテーブルを回すと回転が早くなるでしょ!」
浩之「あぁそれが?」
志保「まだわからないの?もちろん一つのカップで思いっ切り回して競うんじゃない!」
綾香「そう言うこと!さっ早くやりましょ!」
浩之「・・・・・。」
そして珈琲カップに乗った俺は志保と綾香のコンビに嫌と言うほど回された・・・葵ちゃん談、3人の顔が6人に見えるほどだったそうだ。
何故俺はこんなに酔ったのにあの二人は何ともないのだろうか?・・・。
結局俺はみんなに連れ回され、もうすぐ閉園時間だ・・・。
浩之「お〜いもう行くぞ〜。」
神岸「待ってこれが取れるまで〜。」
浩之「んなもん別にいいだろ。」
神岸「だめだよこのマスコット此処にしかないんだもん。」
浩之「しょうがねぇなぁちょっと代われ。」
そして浩之は2・3ど挑戦してUFOキャッチャーのLvが上がった!そして景品をゲット!
浩之「ほれ!あかり。これで良いだろ。」
神岸「うん、ありがと浩之ちゃん。」
浩之「まったくこの熊の何処が良いんだ?」
神岸「えぇ〜すごく良いじゃない!あのね浩之ちゃん熊っていうのはね・・・」
どうやらまた神岸博士の『熊論』が出そうなので俺は他の奴らに帰る用意をするように言いに行った。
保科「まだや!まだ負けへんで〜!」
志保「ほれほれど〜した〜あと少しよ〜。」
保科「いまや!」
志保「なぬ〜8連コンボ〜!?」
保科「どうや?形勢逆転やな〜。」
浩之「お〜い、そろそろ帰るぞ〜。」
志保「まだよまだ!く〜〜。」
浩之「お〜い、いいんちょ〜志保〜。」
保科「来るんやったら来てみい!」
浩之「お〜い・・・。」
だめだ・・・ゲームに夢中で二人とも聞いてない・・・。
浩之「お〜い、葵ちゃ〜ん。」
松原「はい、もうすぐ帰るんですよね。」
浩之「あ、あぁそうだけど他の奴らに伝えてきてくれねぇか? なかなか聞かない奴らもいるから…。」
そう言って志保達の方を見た。
松原「はっはい、解りました。」
葵ちゃんはそう言うと志保達に話をしに行ったが熱中している二人には聞こえてなかった。
ようやく一区切りを終えたところに話が通じて志保達が葵ちゃんと共に来た。
その間に俺は綾香達に帰るように言って全員が集まった。かに見えたが…。
浩之「あれ?レミィは何処だ?」
宮内「ヤッホーヒロユキー!」
俺は慌てて声の方を振り向いて愕然とした。レミィは観覧車のてっぺんの方にいたのだ。
レミィが乗ってる観覧車が降りてきてようやく全員がそろった。此でようやく帰れる…。
家に帰った俺は夜の空を見ながら今日のことを思い返していた。
浩之「今日も大変だったなぁ、いつもより疲れたみたいだ…。先輩も全然楽しんでなかったみたいだったなぁ、珈琲カップでも先輩の乗ったカップだけ回ってなかったし…うっ…。」
カップのことを思いだした俺はまたあの回転を思い出して吐きそうになった。
浩之「ふぅ、でも綺麗な満月だなぁ、先輩たぶん今頃何かの魔法の練習でもしてるんだろうなぁ。」
しかし、俺はこのとき先輩が遊園地まで持ってきていた本のことを思い出すべきだったのかも知れない…。
あとがき
どうも一博之です今回初のSSという事であまり出来は保証できません。
構想、数ヶ月と言う長い構想でしたが何故か書いてる最中に何を書くのかを忘れる事件続発!(笑)
まだ序章なので題の割に明るい感じがします。しかしこれからが本番!第2章をこう御期待!
しかし『高速回転カップ』とは懐かしい、あれは回す方は酔わないんだけどつきあわされる方は必ずと言っていいほど酔うんだよな。(笑)