太陽に萌えろ!! 〜葉っぱ銀行・強盗事件〜
by枕木
ある、日差しうららかな午後…。でも、うららかってどんなだろう…。
…で、ここは、都内某所にある葉っぱ銀行。
ウイィィン…(自動ドアの音)
事件はいつも突然に幕をあける…。
コツコツコツ…。
「いらっしゃいませー。今日は何のご用件でしょうか?」
「あ、あの…」
「はい?」
「み、みなさーん。静かに手をあげてくださーい!」
・・・・・シーン・・・(沈黙)
「セリオさんっ!皆さん、静かにして下さいましたが、手を上げてくれませーん(涙)」
「マルチさん。この場面でその言い回しは不適切と考えられます」
「で、でも、セリオさん…。この本には…(ペラペラ・・)」
本を見るセリオ。その間、1.5秒…。つーか、何の本だ…?
「なるほど…。恐らくマルチさんの場合、言葉に迫力が足りないと思われます」
「え!?そ、そんな…。で、でも…、どうしたら…。はわわわ…!!」
マルチ、慌てる。その間、10秒…。
「わかりました。では、私がお手本を見せましょう」
「はわ〜…。何がわかったのかは知りませんが、ありがとうございますぅ……」
銀行員の方を向くセリオ。そして……
「くぉら!!全員、手ぇ上げろや!!さもねぇと、誰一人、ここから生きて出れねぇぞ!!!」
ビクッ!(民衆、戦慄) サッ…(全員、手を上げる)
「わぁ!やっぱりセリオさんはスゴイですぅ!!皆さん、言う事を聞いてくれましたー!」
「今回は[プロの強盗犯]のデータをダウンロードてみました。しかし、この言い回しは世間一般では嫌がられるので、マルチさんには、学習しないことをお勧めします」
「なるほどー…。勉強になりますー」
そしてその頃…、都内某所の葉っぱ署・刑事課では……
「……………(課長・来栖川芹香)」
「ハァ……、近頃、エキサイティングな事件が無いネェ…」
「おい、おい、レミィ…。そんなに事件ばっかだったら、俺達、刑事は身がもたねーぞ…」
「でも、浩之…。せっかくライフルが打ち放題なんだヨ…。もったいないネ…」
「違う、違う………(汗)」
「そうです!事件の早期解決には、容疑者と拳と拳で語り合うのが一番、良いと思います!」
「葵ちゃん…、それも違う……」
「みんなー。お茶がはいったよー」
「お。サンキュー、あかり。お茶くみ係って所も、中々、犬チックだな」
「浩之ちゃん…。理由になってないって…」
「でも、本当に…(ズズッ…)、事件が…(ズズズッ…)、無いよなー」
「浩之ちゃん…、お茶飲みながら喋ったら、お茶がこぼれるよ…」
ちなみに、今年に入ってからの事件数、0である。正確には『事件にまで発展した事件』は0である。
それに比例して、自首の件数は格段に上がっていたが…。
「一応、事件を未然に防ぐ為に、毎日、パトロールは欠かしてませんから♪」
「まー…。誰だって、レミィの矢とか、葵ちゃんの鉄拳はくらいたくないわなぁ…」
「ちなみに、今回は警察だから、私の装備は銃ダヨ♪」
「怖い…。百発百中なだけに、怖すぎる…」
「でも、平和なのは良いことだよー……、よしっ!100個目の花、完成ー!!」
「理緒ちゃん…、公務員の内職は禁止だってば……(汗)」
その時!!
プルルル…!プルルル…!
「カチャ(電話に出る)。コク…、コク…、フルフル…」
「先輩…お約束…。いいよ、俺が出るから…」
「コクン…」
「あー、もしもし。こちら葉っぱ署、刑事課!」
「藤田君?あーよかった…。話がつながらんで、どないしようかと思うたわ…」
「お、パトロール中の委員長か。で、どうしたんだ?」
「説明的なセリフやなぁ…って、そんな場合やなかった!…葉っぱ銀行で強盗事件発生や!ウチと琴音ちゃんはそのまま向かうさかい、あんたらも現場に急行してや!!」
「了解、っと。(カチャン) おーい、喜べ。待ちに待った事件だぞー!」
「ヤッタ!これでライフルが撃てるネ!」
「犯人を拳で更正させます!!」
「あんまり、危険な事はしたくないけど…、お給料もらってるし、頑張る!」
「こいつら…、本当に現場に連れてって良いものなのか…?逆に危険なのでは……」
ちょいちょい…
「……」
「何、先輩?『頑張ってください』って?もちろん!」
「………」
「え?『アナタ達の活躍はこの水晶球で見ています』って、まぁ、先輩に現場はちょっと無理だなー…」
「…………」
「え?『いざとなったら、現場にデーモンを召喚して、助けます』って…、それは、遠慮しておくわ…。俺達まで危ないから…」
で、何だかんだで出動…
パープパープ…(サイレン音)
パトカー車内
「なー…、レミィって免許、持ってるのか?」
「いや、持って無いヨ」
「だったら、何で運転してるんだ…?」
「何でって…、ハンドルとかアクセルとかじゃないの?」
「だーかーら!!免許が無かったら公道で運転したら犯罪だろうが!?」
「HaHaHa!!気にしないネー♪」
「気にしろーーー!!!」
「で、こういう場合はドリフトしながら行くのが基本だよネ♪」
「ちょ、ちょっと待て!レミィ…うわわわぁぁ!?」
キキィ!!ブロロロ…!!
迷惑を撒き散らしながら、公道を爆走の一行…(つーか、レミィ)
で、現場に到着。
「何やっとんのや…。遅いで、藤田君!待ちくたびれたわ!!」
「…いや……、遅いとかいう…問題じゃなくて……、生きて着けて…よかった…」
「保科先輩の言うとうりですよー。車なんですからー」
「ねぇ、葵ちゃん…?走って来たの…?しかも、車より早く……」
「え?そうですけど?」
・・・・・・
「ま、深く考えるのはやめといて…、何か進展はあったのか?」
「いや…。今、琴音ちゃんが説得にあたっとる所や…」
銀行の方にメガホンをもって話し掛けている琴音。
「犯人の方々。大人しく投降して下さい。じゃないと、力をぶつけますよ…!あっ!?」
パリーン!ガシャーン!!(銀行のガラスが割れる)
「……脅迫やな」
「ああ…。しかも暴走してるし…」
……ざわざわざわ……
「ヤジウマも集まりだしてるな…。早いところ終わらせないと…」
「えー、煎餅にコーラ、ポップコーンはいりませんかぁ?」
「理緒ちゃん…。こんな所まで来て、バイトせんでも…。というか、するなよ…」
その頃、銀行内のマルチ&セリオ…
「はわわわ!大変な事になってますー!!」
「大丈夫です。これくらいの事態は予測許容範囲内ですから…」
「で、でも…」
「こういう場合は、まず、警察側に私達の要求を伝えるのが、一般的な行動です」
「要求…ですか?でも、特に欲しいものは…」
「ちなみに、定番のものとしては、[1・仲間の開放] [2・逃走用の交通手段] [3・現金]…などです」
「はぁ。………でも、どれも特に必要無い場合はどうするんですか?」
「………よくわかりません…」
その時…!
ガサッ……
後ろの客(実は矢島)がセリオの方に近づこうと、機会をうかがっていた…!
「たかが女の子の一人や二人!警察が来る前に、俺が捕まえてやるぜ!!」
セリオ&マルチに飛びかかる客!というか矢島!危うし!!HMXシリーズ!!
「どりゃああああ!!!」
「…レーザー…」
・・・・・ビシュン!!
セリオの目から光線が炸裂!!そして、その場に倒れこむ客!いや、矢島!そして、静まる民衆…
「何故…、俺ばかりがぁ…(ガクッ)」
「出力を抑えましたので、軽く感電しているだけです…。皆さんも誤解されるような行動はとらない事をお勧めします」
「はぁー、セリオさんは、何をやっても上手ですぅ…。見習わないと…」
そして、浩之達は…
「……何の動きもないなぁ…。どないする?藤田君?」
「でもなぁ…。人質がいるから、うかつには手を出せないし…」
「やっぱり、強行突入ですか!?」
「葵ちゃん…、目が輝いてる…」
「でも、この状況を打開するには、うちらが動かなあかんのは確かやな…」
「だったら…」
1・葵ちゃんが行く
2・琴音ちゃんが行く
3・理緒ちゃんが行く
4・レミィが行く
5・委員長が行く
「の、どれかだな…」
「何で、アンタが行くって選択肢が無いのや!」バシーン!!(ツッコミ)
委員長のハリセンツッコミがHit!!浩之は20のダメージを受けた!!
「受けるか!」バシーン!(二発目)
「痛てて・・。でも、こういう場合、男の俺が行っても、ストーリー的につまらないというか…、何というか……」
「ストーリ的にってなぁ…。まぁ、言いたい事はわかるねんけど…」
しかし…、事態は急転したりする…(汗)
バキューン!!
「な、何だ!?銃声!?」
「ま、まさか…!レミィかいな!?」
ライフルをかまえて銀行の方を睨んでいるレミィ!その姿は、まさに獲物を狙うスナイパーの如し!!
「み、宮内先輩!銃は邪道です!!」
「葵ちゃん…、非難する事柄が違うって……。おい!やめろ、レミィ!!」
しかし、レミィは…
「HaHaHa!!すぐに投降しないと『蜂の巣』ダヨ!!」
「こ、これは…、PC版の『暴走モード・レミィ』や!!」
ピキーン…キイィィン……(エスパーな音)
「何でしょう…。このままだと、危険な感じがします…」
「って、今度は琴音ちゃんの『不幸予知』かいな!?何とかならへんの!藤田君!?」
「な、何とかって言われても…。そうだ!あの『思い出の小瓶』があれば…」(PC版参照)
「何でもいいから早くしてー!このままだと、お客さんが逃げちゃうー」
「雛山さん………ええかげんにせんと…しばくで…(怒)」
「えーと…。確か、ここら辺に…(ガサゴソ…)。よし!あった!!」
「何で、あるのかっていうのはかなり疑問やけど、今は突っ込まんどいたるわ…」
「よーし!これで…」
パキーン…!
砕け散る小瓶…
「す、すいませんっ…!つい、超能力が暴走して…。てへっ(はぁと)」
「『てへっ(はぁと)』じゃない!!ああ!!もう!!どうするんだぁ!!!」
「あの…、先輩…」
「ん?何、葵ちゃん…?」
「あの…、これで代用出来るかどうかわかりませんけど…これくらいしか…」
で、渡されたのは、オロナ○ンCの空瓶…
「…………(呆然)。よ、よし!ここはもう、当たって砕けろだ!!レミィ!!受け取れぇ!!」
ヒューン…
レミィの方へ向かって飛んでいく小瓶(と言うか、空瓶)!
「…………(よーし!うまくいってくれ…)」
「…………(あんなのでええんかいな…)」
「…………(あの瓶…割りたい…)」
「…………(あ…、やっぱり、リポ○タンDの瓶の方がよかったかな…)」
「…………(まだ中身が残っていたのかもしれないのに…もったいないぃ…)」
それぞれの思惑を胸に飛んでいく小瓶…、そして、小瓶は弧を描いて…
スコーン!!パキーン…
「はうっ!!??」
「あ、当たった」
「砕けましたねぇ」
そして、レミィはその場に倒れこんだ。
「なんでやねん!!普通は砕けんわぁぁ!!」
「ま、まぁ…、方法は違ったが、大人しくはなったな…」
「あの瓶…硬いですから…。宮内先輩、大丈夫ですかねぇ…」
で、その頃、マルチ&セリオは…
「……はい…、了解しました…」
「はう?どうしたんですか、セリオさん?」
「今、サテライト経由で、撤退するようにとの連絡がありました」
「で、でも、外は警察の皆さんに囲まれちゃってますぅ…」
「大丈夫です。もうすぐ…」
……ババババババ…………!
その頃、外では…
「何だ!?ありゃ?」
「ヘリコプター…みたいやな…」
「しかも、こっちに近づいてきてますよ…!」
で、銀行の真上で旋回するヘリコプター
「どうやら、来たようですね」
「で、でも、ここからどうやって乗り込むんですか?」
「天井を…破壊します」
・・・・・ドゴーン!!
セリオの腕からミサイルが発射!?天井には大穴が…!
「では、銀行関係者の皆さん、他、多数の一般市民の皆さん。ご迷惑をおかけしました」
「あ、あの…、お騒がせしました!」
唖然とする民衆…
「一体、何しに来たんだ…?」
「さぁ…」
で、外では…
「おい!ヘリから、吊りバシゴが降りていくぞ」
「あ…、誰かが、上がって来ますね…」
ババババババババ…!!
上昇していくヘリコプター。吊りバシゴにはマルチ&セリオの姿が…
「誰か、ハシゴにつかまっとるで!」
「くっ!砂煙が舞ってて犯人が見えない…!」
「それでは、皆さん、さようなら」
「みなさーん!!さよーならー!!」
遠ざかっていくヘリ…
「しまった!逃げられたか…」
こうして、世間を騒がせた(?)謎の強盗《未遂》事件は幕を降ろしたのだった…。
しばらくして、現場検証…。
「どうやら、現金などの被害は無かったようやで。怪我人は一名程おるけど…」
ピーポー、ピーポー、
救急車で運ばれていく怪我人(矢島)
「俺ってなんだー……(エコー)」
「で、後は、犯人が壊した天井と、姫川さんの壊したガラスぐらいやな…」
「経費でおとして下さいね、藤田さん♪」
「………」
「でも、一体、何の為に来たんでしょう…?犯人の方々…」
「ま…どうでもいいさ……。とりあえず…、レミィを起こして帰ろうぜ…」
後片付けしていけよ…お前ら……。
で、その頃、ヘリの中…
「任務、完了しました。綾香お嬢様」
「お疲れー。二人とも♪」
「はわぁ…。でも、今回のお仕事には何の意味があったのでしょうか?」
「まぁ、訓練の一環としてって、姉さんがねぇ……(汗)」
で、葉っぱ署…
「クシュン!」
「あれ、来栖川先輩。風邪ですか?」
「……(誰かが、ウワサしているみたいです…)」
……つまり、真犯人はアンタかいっ!!
END
あとがき
どうもー。性懲りもなく枕木です(^^;。
今回はギャグで攻めようと思ってやってみたのですが…。どうだったでしょうか?
タイトルはあの名作の刑事ドラマからとりました。
キャラによってはイメージが壊れてますね…。
不快に感じた方、スイマセン…。どうか、暖かく見守ってやって下さい…。
文法もあまり自信ありません。委員長の大阪弁は特に…。
後はセリフによっては誰が言っているのかわからないものもちらほらと…(汗)
もし、感想とかあったら感想掲示板の方に書いてもらえると幸いです。
次回作(?)の参考にしますので…。
では…。