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       RPGとぅうはあと  Road,2 

                                       火鳥泉行



 【あらすじらしきもの】
 勇者浩之、武闘家葵、黒魔術師芹香パーティーの前に立ちはだかったのは、魔王のしもべ、闇の狩人ことダークハンターのレミィ!!彼女の華麗(?)な弓テクニックの前に3人は・・・



 【ここから本編】

「フッフッフッフ」
「あいつが噂に聞くダークハンターのレミィか・・・・」
 額の汗を拭い、浩之が緊張の色を見せる。
「今飛んできた矢の気配を感じ取ることができませんでした・・・確かにこれは手強いですよ」
 いつでも動けるポーズを崩さず、葵が冷静な口調で言った。
「・・・・(それで・・・)」
「ん、何?先輩」
 なにやら呟く芹香に浩之が聞き返す。
「・・・・・・(それで、オチは一体なんなのでしょう?)」
「オチ?」
「オチ・・・ですか?」
 少し脱力感を感じ、浩之と葵が顔だけ芹香に向ける。
「・・・・・・(だって、このお話オチがないと続かないでしょう?)」
「・・・そっか、そういえばそうだよな」
「そう言われると・・・・確かにぎゃぐSSにシリアスなんていらないですしねぇ・・・」
「それなら別にあんなにマジにならなくてもいいんじゃねぇの?」
「そうですよね。すでにこんなのになってるくらいだから、誰かが死ぬ、なんてことはありませんしね」
「やっかましーーーネ!!」

  ヒュッ グサッ! グサッ! グサッ!

「うわぁ!アブねぇだろレミィ!もし当たったりでもしたらどーすんだ!?」
「当たるように狙ってるのヨ!!せっかくワタシがカッコよく登場したってゆーのにいきなり気の抜けることばっか言うなんて反則ネ!」
「・・・・・・(最近では屋根の上から登場するのがカッコいいというのは・・・)」
「そこ!よく聞こえないけどお黙りなサイ!もう結構デス。ワタシを侮辱した罪は重いネ・・・みんなまとめて殺してあげるワ!!」
 おもむろにそう叫んで、レミィが背中の矢入れに手をかける。
「秘技っ!レミィアロー乱れ撃ちをくらいなサーイ!」

  スカッ

「・・・・」
「・・・・・・アレ?」

  スカッ  スカッ


「・・・・アレレ?」
「どうかしたんでしょうか・・・?」
 屋根の上で不可解な行動をとっているレミィを見上げながら葵が呟く。
「もしかして矢がなくなった、とか?」
「・・・・(どうやらそのようです)」
「おかしいナ?今日はたくさん詰めてきたハズなのニ・・・・ここに来る前に落としちゃったのカナ?」
「おーい」
「・・・・・・」
「・・・・・」
「ナハハハハハハ」
「ってヲイ」
「なんか遠ざかっていくみたいですけど・・・」
「き、今日はどうやらお日柄が悪いみたいネ・・・・というワケでワタシは姉のシンディと約束があるからこのヘンで失礼するヨ」
「先輩、お願いします」
「・・・・(おいでなさい)」

 芹香の一言で、空間にどす黒いものが浮かび上がった。

「あ、もったいねぇ。先輩黒魔術の中でも最強のヤツ使うつもりか?」
「地獄から犯罪者の霊を呼び寄せて、生きている者の魂を奪っていくあの魔術ですか?」
「そうそう。あれをくらって今まで死ななかったヤツはいねーもんな」
「あとに残るのは骨だけで、死体から半径40メートル以内は強烈な激臭が漂うというヤツですね」
「キャアアアアアアアア!!そんなマジュツ生身の人間に使うなんて反則ネェェェェェェ!!」
「お前は悪魔だろ?」
「でも転生前はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「転生前?」
「宮内先輩、それを言うのは反則ですよ」
「タァスゥケェテェェェェェェェ…………」

「ふう。逃げてしまったみたいですね」
「バカだ・・・んな怖い魔術あるわけねーだろ」
「・・・・・(あることはあります)」
 一斉に血の気が引く。
「・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・(ただ、今回召喚したのは別のモノですが)」
「頼むから、それを俺たちの前で使うのはやめてくれ、な」
「ご飯食べれなくなっちゃうかも・・・・」

 こうして一同は無事ダークハンターレミィを撃退することができた・・・が


「さーて、んじゃ改めてバイトを捜すとすっかぁ!」
「どんなのがありますかねぇ・・・」
「・・・・・・(お料理なんかでしたら、私も少しはできますが)」
「へー、先輩の料理か。一度食べてみたいぜ」
「わ、私もっ、ちょっと、ほんのちょっとだったら出来ます!!」
「だったらまずは料理関係のトコを捜すか」
 意見がまとまった所で3人がバイト捜しに行こうと足を踏み出した瞬間。

  バッ!!

 近くの路地裏から、1つの人影が現れた。
「さっきはよくもやってくれたネ!じつはまだ一本取って置いたこの矢をくらいなサイ!!」

  ドシュッ!

 再び現れたレミィの奇襲の矢が放たれる。
 その矢の弾道の先は・・・間違いなく芹香を目掛けたものだった。
「先輩っ!!」
「危ない!避けてください!!」
 突然の不意打ちのせいか、芹香が身体を動かす時間はない。
「せんぱあぁーーい!!」

  『止まれっ!!』

「!!?」
 突如、辺りに声が響いた。
 それは3人のモノでも、もちろんレミィの声でもない。
 と同時に、勢いよく空を裂いていた矢が一瞬にして空中に静止する。
「な、なんだぁ!?」
「どこからか声が聞こえましたけど・・・」
「先輩の魔術か?」
「・・・・・・(いいえ、私はなにもしていません)」
 それを聞いて、辺りを見回す。
 すると、少し離れた建物の隅に、一人の少女の姿があった。
「よかった・・・間に合った」
「き、キミは?」
 安心するように一呼吸おくと、少女はさらに一拍息を吸ってから口を動かした。
「私の名前は琴音・・・旅の超能力使い、テレキネシサー琴音ですっ!」




                                      −つづく−





  【あとがきらしきもの】

 ご愛読、ありがとうございます。火鳥泉行です。
 いよいよ琴音がでてきました。っつーか出しました(死)。
 琴音ちゃんはTo Heartキャラの中でも人気がありますよね。なぜでしょう?
 ・カワイイから ・超能力者だから ・滅殺だから
 ってなにやってるんでしょうね自分・・・・ちなみに今日は8月31日。前作を書いたのが2日前。その時でも言ったとおり、まだ大量に宿題が残っております。これがひろRINさんの温かい努力によって「読み物のお部屋」に掲載されるときにはどうなってるでしょうね(アホ)。
 「奇跡の想い」のラストはこれと並行して書いています。もしかしたら同じ時に掲載されているかもしれませんが、その結果の方はどうなんでしょうね。
 それではまた、Road3で会えることを願っています。 火鳥でした


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