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 …眠れない。

 いよいよ明日が勝負の日だ。
去年はさんざんな結果だっただけに、今年こそは…とか考えているとつい目が冴えてしまう。

 用意は万全だ。いっぱい練習もしたし、体調も完璧だ。
でも…もし今年も駄目だったらどうしよう…。

 はっ、いけないいけない。
すぐ悪い方に考えてしまうのは私の悪い癖だ。
頭を振って雑念を払いつつ、私は布団を頭からかぶった。

 明日は…がんばろ…。


< りべんじ2だっしゅたーぼぷらす >


 いつもよりかなり早く目が覚めた。
朝のトレーニングをこなして軽く汗を流す。
…体を動かしていると、不安とかいった全てが消えていくような感じがする。
もっともそれが気のせいだというのは、その後に気づくけど。

「…はぁ…大丈夫かな…」
 シャワーを浴びて汗を流しながら、私はぽつりとつぶやいた。
まるで水滴が私の心にしみこんでどんどん重たくなっているような気さえする。
「…駄目駄目っ! そんな弱気でどうする、松原葵っ!!」
シャワーを止め、重たくなった心から雑念を振り払うように頭を思いっきり振る。
「よぉし、今年こそ頑張ろうっと!!」


 そして学校。
授業にも身が入らないまま、あっという間に昼休みになってしまった。
私はお弁当も食べずに急いで教室を出た。

 ポケットの中身を確認する。
…よし、忘れてない。
授業中も先生に見つからないように何度も見直した。
内容は完璧だ…と自分では思う。
少なくとも去年よりはよくなっているという自信はある。

 今年こそ…今年こそ…。



「…ですから、格闘技とは言っても…」
私は去年と同じように、廊下に立って道行く人たちに向かって勧誘を始めた。
何の興味も持たずに通り過ぎる人、面白半分に聞いている人、
女の子の私にからかい半分で声をかけてくる人…いろんな人がいる。
…残念だけど、真剣に聞いてくれている人は今のところいないみたいだ。

 …ああ…今年こそはと思ったのに…やっぱり駄目なのかなぁ…。

 そんなとき、遠くにどこかで見たことのあるような2人組の男の人が見えた。
そのうちの1人は何故かどこかで合ったような気がするけど…気のせいかな?
 その2人はしばらくは私の話を聞いていてくれたようだけど、
突然何かを思いだしたように駆け出した。
その時、どこかで見たことのあるような人が発した言葉は、かなりの距離があるにも
関わらず、はっきりと耳に届いてきた…。

「…そうだっ!! カツサンドが売り切れちまうっ!!」


 …今年もまた出番なしなのぉ…くすん。



 < 完 >



(後書き)

 さて逃げよ…(((((((;;-_-)

 まぁなんつーかタイトルからして遊びまくってます(^_^;)
おまけに最初に思いついたオチがこっちだし…(笑)。

 つーわけで全国のカツサンドファンに捧げるSSです(嘘爆)。
PS版なのにまたなの…という葵ちゃんの心の叫びが聞こえることでしょう。

 …抗議のメールは勘弁してね(^_^;;;)

 それでは〜(^_^;)/

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