Semi-Original Short Story from "To Heart"what presented by Leaf........
Vol,T There'll be finish for unexpected result
Written
by アウトロー場末趣味
(T)
(とある地元ケーブルテレビ局のスタジオ。アナウンサーの「それでは××高校前のウッドストック増田さーーん!!」という合図とも取れる掛け声で、画面が高校の前に切り替わる)
ウッドスットック増田(以下;増)
「イエーーーーーーーイ!!!!俺たちゃ××高校の校門前に来てまーーーース!今日はこの高校の生徒の皆さんに放課後の実態、部活動に打ち込む姿なんかをリッポーーーートしてみよーと思いまっす!それじゃあ、早速…おおっ!!!
横断幕なんて作っちゃって。『We Love ×× Highschool!!』だって!2,30人程のミーハーーーな女の子たちぃ!!
黄色い声援と、熱烈な歓迎Thank youuuuuuuuね!!!!
………って、そこのキミィ、特にずば抜けて大声だしちゃってぇ、俺より目立ってんじゃないの?なにしてんの?こんな大旗振って、『迫り来るトゲトゲの天井』?ハハハ痛いなぁ!!!どういう意味?」
志保(以下;志)「ヒューーーーーーヒューーーーーー!!!意味なんか特にないわよぉ!でも、敢えて言うなら『死ぬ間際だから、今を一生懸命生きよう』なんて、今思いついた解釈がいかにも現代っ子ってかんじよねー。ヒューーーーヒューーーー!!!」
増「Wow!!なんて即物的な!!そんじゃ、今週はじめの一発目、いってみよーーーーーーっかいっ!!!!!イエーーーーーーーーーーーーィ!!!!!!」
志「イエーーーーーーーーーーーーーーイ!!!!」
増「あっ!!!!!くぉっらあああ!!!!!マイク引っ手繰るんじゃねぇ!オラッ!返せや!!!!どこの分別のない親が育てたんだろうな!!」
志「ごめーーーーん!いつもの癖なのよ。 そんなわけで、今週最初のアピーーールターーーーーーーーイム!!!!『志保ちゃんリサイタル』開始ぃ!!」
(BGM;もんたよしんり『ダンシングオールナイト』)
志「♪ダンシングオーーーールナイト!…」
増「キャメラさーーん、校舎に早く入ることにしましょうよ!!!!それと、あのマイクのジャック抜いて差し替えて!!BGも変えて!!塩素ウォーターソルジャーの『ヤゴの脱皮のバラッド』なんかいいね!それじゃあ、下駄箱から渡り廊下を抜けて体育館に進みましょーーー!!!!Ready Go!!!!」
志「(志保、『ダンシングオールナイト』を歌い終え)……………って、無視してんじゃないわよぉぉぉぉぉおおおお!!!!!!」
――――――――――――――――――――あんたが増田以上に目立ちすぎたせいだよ!
(U)
葵(以下;葵)「(きょとんと呆れた表情を見せながら)………先輩、校門の辺りがなんか賑やかですね。演歌が大音量でかかってて。」
浩之(以下;浩)「あの声…あの馬鹿!もうあいつとは赤の他人だな。葵ちゃん、あいつはもう放っておきな。」
葵「そんな、酷いこと言わないでください。それより、あの賑やかさって何があったんですか?」
浩「え?知らなかった?地元CATV局のインタヴューだよ。『やっつけ放課後』って番組知ってる?」
葵「知らないです。うちはCATV映りませんから。」
浩「そっ…かぁ。俺の学年じゃあ知らないやつなんていないぜ。駅前の『ハチャトリアン電気店(小規模の電気屋)』の店主なんか、『やつ放』を街頭テレビで流すんだって張り切ってたぜ。」
葵「………私って、やっぱり浮いてるのかなぁ。」
浩「さぞ、全部のテレビ(9つ)に志保のあの馬鹿姿が大写しになってるのをクラスの連中なんかが腹抱えて見てるんだろうな。」
葵「…そうでしょうね。」
(二人歩きながら、いつもの神社へ向かう道中に)
浩「そうだ!なぁ葵ちゃん、あのテレビに出てさぁ、部員の勧誘しようぜ!あれなら帰宅部員も取り込めるし、何よりインパクトが強い。テレビに出てたっていうことだけで、もう宣伝効果は抜群だと思うぜ。」
葵「えっ!…」
浩「やろうぜ!どう?」
葵「でも、私って勧誘活動で結構顔覚えられてると思うんです。だから、あまり効果が期待できないんです。」
浩「あたりまえだって。今までのやり方じゃあ誰も来てくれないよ。もっとインパクトが欲しいって思った。だから、今までのを反面教師にして、今回のは『インパクト戦略』で行こう!」
葵「でも、先輩私、人前じゃ………」
浩「そんな事恐れてたら団体戦にも出られないぞ。人数さえ集まれば、練習の問題とかは二の次、三の次だって。さっ!行こうぜ!!(葵の手を引いて学校へ戻る)」
葵「………どうしよう。」
浩「…心配いらねえよ!後で俺がフォローするから、葵ちゃんはいつものようにやればいいだけだから…………」
葵「…………先輩」
(V)
(一方、学校の渡り廊下。そこでは、前衛芸術研究会とダンスクラブとのコラボレーションでパフォーマンスが上演されていた。鍵盤が壊れて弾くたびにカタカタ音がするピアノの破滅的・官能的かつ激しい転調と度重なるリズムチェンジの曲にのせて、人間が生死の巷を彷徨う姿を、山海塾のような舞踏と聞いたこともない言語での罵倒の応酬で表現している。パフォーマンスが終わって、インタヴュアーのウッドストック増田は、彼らに食いつくようにマイクを向ける。)
増「いやーーーーーーー、よかったよかった!!!なんかしらんがよかった。前衛舞踏?」
部員「あ、ありがとうございます。そうですね。こうして無意識に訴えかけると言うか、やっぱり私たちは言葉にならないものまで表現してるつもりですから。「好き」っていう感情がありますね。最終的には言語化して伝えなきゃいけないっていうのがあるんですけど、完全には言語化しきれないと思うんですよ。だから、言葉によらない伝達手段として…………」
(前芸研とダンクラのインタヴューが終わり、中庭でイージースポーツ部にマイクを向けるW・増田。それを遠くから見つつ、タイミングを計る浩之と葵。)
浩「まずは俺からいくよ。『ズー○イン○』見てるよな?○テレの。」
葵「はい、いつもお母さんが包丁で野菜を切るときのまな板の音と、福○さんのCMに入るときの罵声で目がさめるんです!」
浩「よし、そこでご存知『○留の後ろの通行人』で行こう!もちろん、スタジオの後ろから、『Auslander aus!』っていうシュプレヒコールが書かれた横断幕を持ったスキンヘッドのドイツ人団体とか、福○にパシらされてロボピッチャ買いに行かされ、どこにも売ってなくて途方に暮れるADとかよく映ってるよね。あれの要領で、こうやって…………(『格闘技同好会、云々…』と書かれた画用紙大のパネルを肩からぶら下げ)ほら、こんな風にして、後ろから映りこむんだ。」
葵「…………見たことないです…………」
浩「じゃ!俺が行って来るから、葵ちゃんはそこで待ってて!(走り去っていく浩之)」
葵「…………そんなことまで、しなくても…」
(インタヴューに映りこもうとする浩之。通行人を装いカメラの前をイージースポーツ部員越しにゆっくり通過しようとするそこへ…………)
浩「…………うわっ!…………あかり、なにやってるんだ!?」
(浩之と似たような寸法と言うべきか、『カルトクイズ研究会』のノボリを背中に負ったあかりがいた。)
あかり(以下;あ)「浩之ちゃん!なにしてるの?」
浩「…………○―ムイン朝。」
あ「えっ?…………でも浩之ちゃんそのパネル『格闘技同好会』って、まだ葵ちゃんのお手伝いなんかしてるの?懲りないね。」
浩「余計なお世話だ!おまえこそ『カルトクイズ研究会』って、しかもノボリしょって派手にやってるじゃねーか!いつからお前は………」
あ「ちがうよ。私は正規の部員じゃなくて、手伝わされたの。」
浩「しょうがねぇなぁ…………」
あ「いっしょだね。考えてること。インタヴューの後ろに映ろうなんて。嬉しい?」
浩「嬉しかねぇよ!…あーーー、16年も一緒でなんでこんなになっちゃったんだぁぁ!!!?何の弾みでこんなわけのわかんない性格になった…………?」
あ「ひっどーーい!そこまで言うことないじゃない!!」
浩「…って、移動してるぜ、インタヴュー。いくぞっ!」
あ「待ってよーーーー!!」
あ「浩之ちゃん、もし私が『高○生クイズ』に出るって言ったら、浩之ちゃんは出る?」
浩「あかり!本気か!?おまえ人数集めの為にこんな馬鹿な事やってるのか?」
あ「ちがうよ。でも、浩之ちゃんがどうしても、って言うんだったら…………」
浩「馬鹿言うな!それよかお前それ以前に実力はどうなんだよ?ピンチヒッターのお前にカク研部員相応の実力があるわけねぇって!!」
あ「じゃあ、今からちょっと問題出してみてよ。」
浩「言ったな!?言ったな!!…俺に言ったからには覚悟しとけよ…………1問目!エッフェル塔が出来る前の、パリ市民のエッフェル塔建設に反対する人の割合は?A,約9割 B,約7割 C,約5割 D,約3割」
あ「えっ!…………A!」
浩「2問目!この中で京都産業大学出身でないのは?A,笑福亭鶴瓶 B,北野誠 C,やしきたかじん D,あのねのね」
あ「A!Aの鶴瓶師匠!」
―――――――――――――――――中略
浩「7問目!1日は何時間?A,8時間 B,12時間 C,18時間…」
あ「A!A!」
―――――――――――――中略
浩「ラスト10問目!地下鉄が走っていないのは?A,京都 B,仙台 C,広島 D,横浜」
あ「A!…………終わった?」
浩「……………………結果が出ました。…………正解は…10問中1問!しかも、答えはAばっかしじゃねーか!!おまけに問題全部読み上げる前に解答してるじゃねぇか!!7問目、あまりに正解が少ないんでサ−ビス問題出してやったてんのに、何も考えずに答えて間違えやがって!!俺の好意を無駄にする気か?」
あ「えへへ………ごめーん。」
浩「おまえ、こんな結果じゃ予選1問目から退場は必至だぜ!そんなこと諦めていつものお前に戻れ!な!…じゃ、俺はもう行く…………」
あ「待って!もう1問だけ出して!予選1問目突破の為に…○×クイズ!最後に1問だけ!ね!ね!!」
浩「…………わかったよ。じゃあ、ホント特別に1問だけだからな。○×クイズで○なら右手、×なら左手を握れよ。間違えたらもう片方の手で、遠慮なく、つねるぜ!!」
あ「浩之ちゃん…………」
浩「それじゃあ、問題!世界初のカメラ、「ダゲレオタイプ」が登場したのは1834年である!○か×か!?」
あ「えーーーーーっ!そんなの知らない!!……………………うぅ…………」
浩「お手上げか?じゃ、俺行くわ。…………」
あ「ちょ、ちょっとまってえぇえ!!!!」
(あかり、浩之の両腕を掴んで上げるも、その反動で廊下の端に二人倒れこんでしまう。)
あ「きゃあっ!!」
浩「うわっ!!!…………って、何の真似だっ!!!!」
あ「…………う…!!…………浩之ちゃん!!浩之ちゃん!!!!」
浩「なんだよ!!だからお前は何がしたいんだって!!?もうわけがわかんねぇよ!!」
あ「待って!待ってよぉ!!浩之ちゃん!!!」
浩「俺、もう行くわ!!!!」
(浩之、その場を走り去ってしまう。その場に取り残されたあかり。)
あ「浩之ちゃん……………………信じて………た…のに………。」
―――――――――――迫り方がまずかったんや。反省しいや。
あ「ひどいよ…………ツッコミにとどめを刺されるなんて…………酷すぎる………。」
――――――――って、おまえなんで俺と話しができるねん?
あ「話せるんだったら、慰めの言葉の一つでもかけてよ。ねぇ。」
―――知らんがな!!
(W)
葵「えーーっ!…今度は私が映る番なんですか!?」
浩「そうそう。ほら、俺みたいに肩からこうパネルを下げて………これでOK!!」
(例の『格闘技同好会』のパネルを肩から下げた葵)
浩「うんうん。意外と似合ってるじゃん。早朝から駅前で演説してる共産党員みたいで、凛々しいね。」
葵「せっ…先輩、そんな変な褒め方しないでくださいよ!冗談ですよね?」
浩「そんなことはないって。共産党員っぽいかは別にして、これだったら首尾よくいけそうな感じがするからね。」
葵「でも、失敗しそうな気がします。自信が…ないです。」
浩「どうしたんだよ!!ほら!俺がここまで太鼓判を押してるんだから、もっと自信持ちなよ。ほらほら!葵ちゃん君はカッコいい!!絶対に成功する!!!!!この俺の折り紙つきだから!!!!!」
葵「先輩…………私…。」
浩「その調子!!いいかい!?葵ちゃんは絶対にいける!!!俺がついてるから絶対いける!!!!!!」
葵「…………。」
浩「心配ないって、何かあったら俺がフォローに飛んでくから!!さあ、いけるぞぉぉぉおお!!!」
葵「先輩…………やってみます!」
浩「よっしゃーーーーー!!!!その意気だっ!!いけるぞおおぉぉ!!!!!!」
葵「よーーーし!!!!先輩!!早速、インタヴューが終わったみたいなので行ってきます!!!」
浩「よーーーーっしゃ!!行ってこい行ってこい!!葵ちゃんは絶対に強い!!!!!」
(丁度インタヴューを終えたW・増田のもとへ駆けよっていく葵)
(W・増田、インタヴューを丁度終え)
増「はい、ありがとーーーーーーございましっ、たーーーーーーっとぉ!!『空耳アワー部』のグッレーーーーートなリッポーーーート!!お送りしましったーーーー!!Hue!!!
そんなところで、中継も残すところ後7分!!!もう一つばかりいっとこーーかい、いっとけーーーーーーー!!!いっとけやーーーーーーーーーーー!!!さあ、さあさあさあ!!!そこのマルキシスムにどっぷり漬かってかぶれたようなパネルのChick!!!「格闘技同好会で強い奴に逢いに行け!!」なんてギャップがムッチャ、気に入ったああああ!!!!さーーーーーーぁ、シャウトしてもらおーーーーーぅ!!かっくとーーーーーーーーーぐぃどーーーーーーこーーーーーーかーーーーい!!
Yeahhhhhhhhhhhh!!!!!!!!Huuueueueuueeee!!!!!!」
葵「いぇ、いえーーーーい…。………『格闘技同好会』部長の松原葵です!!現在我が部では部員を募集しています!!柔道、空手、ボクシングなど、流派、スタイルはそれぞれありましたが、私たちのスタイル『エクストリーム』は、そういった壁を取り払った自由なスタイルの格闘技です!そんな多様なフィールドの中で、あなたのライバルが必ず見つかるはずです!!いま、高校生活に物足りなさを感じてる方は、我が部に入って、充実した高校生活を送りませんか!?」
増「うおおおおおおおお!!!!!!今見たかぁ!?葵ちゃんの背後から一瞬炎が燃え滾ったああああ!!!?とんでもない気迫だぁぁーー!!!これは負けてはおれん!!そうだ!!!帰宅部のヤローーーどもーーーーーー、マンネリ高校生活に飽きた腐ったミカンどもーーーーーーーーー!!!『格闘技同好会』で熱い汗を流して輝けーーーーーーーー!!!!Fire-――――――――――!!!!!」
葵「ファイヤーーーーーーー!!!」
(陰で様子を覗う浩之)
浩『よしゃ!その調子その調子だ!このインパクトで押し切れーーー!………あれ、葵ちゃん、どうした!どうしたんだ!!しっかりしろ!!!!そこで詰まったら出てきただけ無駄になってしまうぜ!!くっそぉ!なにやってるんだよ!!』
増「やべーーー!やべーやべーー!このままじゃあ、俺の一人芝居だぁ!!さーーーぁ、とにかく『エクストリーム』に熱い魂を感じたTVの前のーーーーーー…」
葵「………あ、…………あ、その………」
浩『あーーーーもう!!じれったいな!!くっそーーーーーーー!!持ちこたえてくれーーー!!葵ちゃん!!』
増「さーーーーーーあ!そんなところで『やっつけインタビュー』。ここで…」
?「ちょっと待ったーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
葵「ええっ!!?」
増「おーーーーっと!!!ここで謎のデストロイヤーマスクが乱入だーーーーーーー!!!
葵「こ、これって、…何が起こっているんですか?…あぁ、どうしよう!?」
?「しゃあしゃしゃしゃしゃあああああああ!!!!!ここで会ったが1574年と49日飛んで25分!!我が最大にして最強の宿敵、松原葵よぉ!!この俺様が貴様の首をば貰い受ける!!うしゃしゃあああああ!!!」
増「いきなりデストロイヤーのドロップキックだーーーーーーー!!!!しかし、葵ちゃん軽くかわしたっ!さあ、両者間合いを取る取る!詰め寄るデストロイヤー!離れていく葵ちゃん!一進一退を繰り返すまま両者睨み合うばかりだっ!!さあ、そこでデストロイヤー掴んだ!掴みにかかった!!身長わづか150センチ、この小柄な少女に掴みかかる!デストロイヤーなんて酷いヤローだ!!」
?「首がもげるぜぇマジでよぉ!!!」
葵「…………うっ、…ここで、隙さえ出来れば…………」
増「さぁーーーギブアップは近いか!?そろそろ黄色いタオルを投げる番か!!?」
(グッ!ギリギリギリ…………がっ!!)
葵『見えた!!…今だ!!』
(ぐっ!!…ズバァァァアアァァンン!!!!!!…………)
?「うぎゃぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!」
増「おおーーーーっとぉぉ!!!デストロイヤ−、謎の一撃で吹き飛んだぁぁ!!この小柄な体のどこにこんな凄まじい破壊力が潜んでいるんだぁああ!!」
葵「…………はぁ、はぁ、…………」
?「クソッ!!今日はこのくらいにしといたるわ!!」
増「池乃めだかばりの捨て台詞を残して退場だ!デストロイヤー!!にしても素晴らしい!!これが『格闘技同好会』の力かぁっ!?」
葵『…………今のマスクの声………うそ?…もしかして?』
増「素晴らしい称賛の言葉です!!周りのギャラリーが、この小さな少女に『スゲーーーー!!』『カッコイーーーーぜーーー!!』『俺も葵ちゃんに殴られてぇーーーー!』などと絶賛しています!!中には「Gut!!」や「Tres bien」などドイツ人、フランス系ベルギー人からワールドワイドなエールです!!」
葵「…………」
増「ギャラリーの皆さーーーーーーーん!!葵ちゃんにもう一度エールをーーーー!!!おーーっ!!ありがとーーー!!さあ!ガッツポーズだ!右手を上げてガッツポーズ!!さあ、葵ちゃん、イェーーーー………ってどうした!!どうしたっ!直立不動して、顔を真っ青にして!しっかりしろ!!」
葵「…………………、」
増「………あっ!どこへ行くんだ、葵ちゃん!!ちょっと!!」
葵「………」
(無言でこの場を立ち去ろうとする葵)
増「……え、そういうことで、この『やっつけ…………』
?「ちょっと待ったーーーーー!!」
葵「…………!?」
増「…おーーーーっとぉ!!!!新たなる挑戦者の登場だぁ!!次なるチャレンジャー、大阪プロレスのくいだおれマスクをホラーテイストにアレンジして登場――――!!早速、おおっ!ドラムを取り出してドッカンドッカンビートを刻んでいる!!」
?「♪とーれとれぴーちぴちカニ料理――――!!」
葵「そんな、…また………うっ…」
増「キダタロー作曲のカニ道楽のテーマに載せてのパフォーマンスだ!!くいだおれ、ドラムを置いて………すぐさまラリアーーーートだ!!」
?「だりゃああああああ!!」
Abosolutely designed
それはあまりにも意外な結末だった
オックスフォードストリートとデュークストリートとの交差点だったと思う
俺が浮かれすぎていたがために
モーターを積んだ塊にアクロバティックに弄ばれた
意識が朦朧とし生死の巷を彷徨う
法廷への道中、道化が横で喚いてやがる
「総ては唯一神のご計画なんだよ!」
「死後裁きにあって、全生物は地獄で七転八倒するんだよ!」
ぶん殴ってやろうかと思うも体は俺に従わない
それどころか道化の思うがままだ
道化は「俺は神の御言葉を伝えにきた天使だ」と続けた
法廷の扉は近づく
17番前の男の絶望の阿鼻叫喚が耳をつんざく
ジャッジメントは決まってこの言葉で締めくくる、断罪する
「貴様が予想できなくとも、それはすべて神のご計画だ」
結局はすべてを超越した神の計画の上に乗っかっている
予定調和で宇宙の歯車は安定の上に作動している
闘いあって死にかけた狼は喉元を向けて死を免れる
本能と種の保存に生き、生かされるのみ
誰がそれを否定できよう
否定しようものなら狼にそのまま食われ
道化の「死の舞踏」のパペットに還ってゆくのだから