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        ToHeart[Leaf]・松原葵SS

              ある晴れた日

                       write : はぐ☆マルチ




☆ 1月16日[SAT] ☆

 プルルルルル…
 プルルルルル…
 プルルルルル…


「葵ーっ。お電話よ。藤田さんからっ」
 ………
「葵っ?」
 ………
「おかしいわね…藤田君、ちょっと待ってもらえる? 部屋を見てくるわ」

 コンコン

「葵?」
「…なぁにぃ…」
「なに、寝てたの? あんたって子は」
「…おかぁさ…なにかよ〜?」
「何かじゃないわよ。お電話よ、藤田さんから」
「…そう…」
「…葵っ!」
「きゃっ! いったぁーっ! お母さん、ひどいよ。いたぁ…」
「当たり前でしょ。電話を待たせておいて」
「待たせてって、誰から?」
「あんた、聞いてなかったね…」
「え?」
「藤田さんよ」
「えっ!?」

 ドタドタドタ…

「あらあら…まったく、あの子ったら…」


 ♪ちゃんちゃらららちゃらちゃん〜♪
 プッ!

「す、すみませんっ! 先輩っ! お待たせしてしまって」
「あぁ、いいよ、んなこと。あ、それでさ、葵ちゃん」
「は、はい」
「明日、暇?」
「え? 明日は、中国武術の道場で稽古があるんですけど…それが何か?」
「う〜ん…それ、何時ごろに終るかな?」
「えーと…大体夕方の4時ごろだと思います」
「…4時…かぁ」
「あの、先輩。どうなさったんですか?」
「いや、ちょっとな…それじゃぁ、5時から会えないかな?」
「え? それは結構ですけど…」
「よしっ、それじゃぁ明日の夕方5時。駅前プラザの入口前。いいか?」
「え? あっ、は、はいっ!」
「ん、それじゃぁ、また明日な、葵ちゃん」
「あ、はい。さようなら、先輩」


「はいやっ!」
(う〜ん…何をするんだろう…?)
「せいっ!」
(…あれ? も、もしかしてこれって…デ…デート…なのかな?)
「………」
「松原っ、何を止まってる!」
「あ、はいっ! すみません」
(いけない、今は集中しないと)



☆ 1月17日[SUN] ☆

「先輩っ、お待たせしましたっ」
「よ…ぉ…」
「…あ、に、似合って…なかったですか?」
「い、いや。まさかそんな可愛い服着てくるとは思わなかったから…な」
「似合わないでしょうか?」
「ばぁか。むちゃくちゃ似合いすぎて眩しいくらいさ」
「…ホントですか?」
「ホントだよ。もっとそんな服を着りゃいいのに」
「は、はいっ。私、この服は似合わないって思ってたから…」
「葵ちゃんはもっと自信持たないとなぁ…」
「…はい」
「ま、こおでそんな話していても仕方ないさ。いこうぜ」
「行こうって…どこにですか?」
「ちょっと買い物に付き合ってほしかったんだ」
「買い物?」
「今度さ、いとこにお祝いしなきゃいけなくなってな、その娘が葵ちゃんと体格が似てるんだよ」
「は、はぁ…」
「年も1つ違いだし、あいつの好みがわかんなくてさ、それで葵ちゃんに見てもらおうかなぁとな」
「え? えっ!? わ、私にですか?」
「そ」
「そんな、私、そういうセンス全然ないんですっ!」
「大丈夫だって。その服だってかわいいぜ」
「これ、お母さんに買ってもらった服ですし…」
「ほらほら、ブツブツ言ってないで行くぜ」
「あ、待ってください! 先輩っ」


「…これ…なんてどうでしょう?」
「あぁ、なるほど…うん、いいかもな」
「こういう組み合わせは…」
「うんうん、やっぱり葵ちゃんセンスあるよ」
「そ、そうですか?」
「あとはサイズなんだけど…葵ちゃん、悪いんだけど試着してくれないかな?」
「え? 私がですか?」
「ダメか?」
「い、いえ。私でよろしければ…」
「さんきゅ」


「うん、ピッタリだな」
「はい、でも私にピッタリでも…」
「大丈夫大丈夫。背格好は変わりないと思うし」
「はぁ…」
「よし、これで全部サイズもOKだな」
「はいっ」
「それじゃぁ…なぁ、葵ちゃんはどれが一番好みだ?」
「そうですねぇ…私は、この黄色と白の組み合わせです」
「なるほどなぁ…これは葵ちゃんに似合いそうだよな」
「え? そ、そうですか?」
「ま、それは置いといてだ。あいつの趣味を考えると、フリル付きのこれにしておくか」
「これ…ちょっと子供っぽいかもって思ったんですけど…それなら、この黄色と白の方が…」
「いいんだよ、これに決定」
「いいんですか?」
「あぁ。葵ちゃん、ありがとな」
「い、いえ。お役に立ててよかったです」




☆ 1月19日[TUE] ☆

「…今日で17歳なんだ、私…」
「お〜っす、葵ちゃん」
「あ、先輩っ。おはようございま…」

 バサッ

「あぅっ」
「葵ちゃん、お誕生日おめでとう」
「はう…えっ? あ、ありがとう…ございます。…あの、先輩。これは…」
「誕生日プレゼント」
「えっ!? そ、そんな悪いです!」
「いいのいいの」
「あ、ありがとうございますっ! 私、感激ですっ!」
「そう、よかった」
「あ、あの。見ても…いいですか?」
「あぁ、いいぜ」

 かさかさっ

「えっ!? こ、これ…?」
「葵ちゃんにきっと似合うぜ」
「え…なんで…この間は確か、フリルの…」
「あのあとに戻って買ったんだよ」
「え? あ、あの、せ、先輩っ!」
「うわっ」
「ありがとうっ、ありがとうございますっ! 私、ホントに嬉しいですっ!」
「…喜んでくれて、俺も嬉しいよ」
「先輩っ…大好きっ! 大好きですっ!」



                     【ある晴れた日】End








☆ 1月18日[MON] ☆


 げしげしげしっ!

「うわぁっ! な、なにするんだっ! マナ!」

 げしげしげしげしげしっ!

「いていていて、いてぇって!!!」
「なによっ! この子供服みたいなのはぁっ! これが誕生日プレゼントですってぇ!!!」

 げしげしげしげしげしげしげしげしげしげしっ!

「いてぇっ! お、俺が悪かったぁぁぁぁぁっっっ!!!」








                痕 書

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  こんち(^^)/ はぐ@滅殺崩壊鬼畜人 だよっ

  どうやら、葵ちゃんとマナちゃんは誕生日が1日違いみたいね^^;
   #もっと言うなら神山みこちゃんも18日(^^*)

  そこで、思いついたのが、このSSです^^;
  細かい表現は一切抜きにして、会話とSEだけで書いてみました(^^)

  もしよければ、掲示板かCHATかで感想聞きたいです〜(笑)


                  はぐ☆マルチ [multi@suki.net]

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