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芹香その1「運命的な出会い」
『ドンッ』
ある朝、オレは校門の所で人とぶつかった。
「いててて……どこ見っ…て…」
その人が来栖川グループのお嬢様だと知らされたのはもう少し後の話だ。
尻餅をついて地面にへたれこんでいるのを見て、オレはなんとなしに罪悪感を感じた。
「…あ、ゴメン。今のはオレの不注意だ……立てるか?」
「…………」
「え、なんだって?」
「…………」
「気にするなって?そりゃまあ大丈夫ならいいけど…」
「…………」
「い、慰謝料20万円だって!?そんなバカな!!」
「…………」
「それが無理ならヒゲモビルじじいのラリアットを食らわすだって!?」
「かぁ〜〜つ!芹香お嬢様、そのような振る舞いをされたにもかかわらず20万はちと安すぎるのでは?」
「…………」
「なるほど。あまりに貧相なこやつを哀れに思って安くして差し上げたのですな。さすがはお嬢様です」
その日からオレは運命的な出会いなんか信じなくなった。
−END
【ひとこと】「運命的な出会い」
そろそろ最後の「−END」を「−BAD
END」に換えようかと考えている所です(爆)
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