CHIMES A・O・I
はぐ☆マルチ
ぴんぽーん…
ぴんぽーん…
「あれ? 先輩、出掛けてるのかなぁ」
ぴんぽーん…
「3時に来ますって言っておいたはずなのに…」
ぴんぽーん…
「うー…先輩が帰ってくるまで待ってみようかな」
:
:
:
「ふわぁぁーーー…よく寝たぁ…」
きょろきょろ
「うわぁ、もう夜じゃねぇかよ。何時間寝たんだ、俺?」
トトトトットトトトト
「飯、飯はっと…うげ、何もねぇ…あれ?」
ポリポリ…
「…そういやぁ…今日、葵ちゃんがご飯作りに来てくれるって言ってたような気が…確か3時って言ってたよゥな…まっじぃなぁ」
ガチャッ
ピピポポピパポピポパ
トゥルルルルルルル
トゥルルルルルルル
トゥルルルルルルル
トゥル、ガチャ
『はい、松原ですが』
「あ、あのエクストリーム同好会の藤田と申します」
『あぁ、いつも葵がお世話になっております』
「あ、いえ。それでですね、葵ちゃんは今いらっしゃいますか?」
『葵なら、お昼に出ていきましたけど?』
「え、あ、そ、そうですか、すみません」
:
:
:
「やっべぇ…葵ちゃんきっと来てくれたんだよなぁ…今ごろどっか探してたりして。いや、もしかしたらどっかで落ち込んで…うわっ、まずいなぁ…」
ガチャッ!
「え…?」
すぅすぅすぅ…
「あ、葵…ちゃん…」
すぅすぅすぅ…
「あ…ははははは。待っててくれたんだ」
ふにゃ…せんぱぁ…
「悪いな、こんな甲斐性なしの彼氏でさ、葵ちゃん」
すぅすぅすぅ…
「とりあえず、部屋の中に運んであげないとな…よっと…」
ドスドスドスドス…
「…」
ギュっ!
「え? あ、葵ちゃん…起きて…」
チュッ!
「…え…」
ひっく…ぐずっ…
「え、えっ!? あ、葵ちゃん!?」
ひっく…えぐ…
「先輩…ひどいですよ。ずっと…待って…たんです…からぁ…」
「う…わ、わりぃ。俺が悪かった。今度からはちゃんと待ってるから泣かないでくれよ」
くすくすくすくす…
「冗談ですよ、先輩。あは」
「あ、あぁぁぁぁ! うそ泣きしてやがったなぁ」
くすくすくすくす…
「あはっ。お・か・え・し・ですっ♪ ね、先輩」
おしまい♪