＜キャラクター＞
[葵ディスティニー]（松原葵）
戦場を駆ける蒼き死神（笑）。
エグザム（エクストリーム・グレート・ザ・ムテキ）システムを塔載する。
『ディスティニー』は、クルス・セ博士が付けた、愛のニックネームである。
[坂下シュターゼン]（坂下好恵）
「私は拳士なのだ！」が口癖の空手部員。
クルスガワ博士の下でエグザムシステムの『実験台』になっていた。
この経験が、性格を歪めてしまったらしい（笑）。
葵から[葵ディスティニー２号ブルマ]を奪って、エグザムを巡り合い争う（死）。
『シュターゼン』は、やはり愛のニックネームだ（笑）。
[アルフ藤田]（藤田浩之）
エグザムシステムを「研究」せざるを得なくなった被害者。
葵ディスティニーにベタボレ状態である。
ちなみに、『アルフ』も愛のニックネームである。
[フィリップ橋本][サマナ矢島]
最初は「事務」的に処理されていたが、後に「ザコ」扱い、更には「モブ」扱いにされてしまう男たち。
愛のニックネームは、彼らが独自に付けたものである（寂）。
[クルス・セ博士]（来栖川芹香）
今回の事件の元凶。
エグザムシステムの開発者であり、愛のニックネームに人生の３０％を賭ける。
事件後、エルクゥシステムの開発に乗り出そうとするが（笑）。
ヒロ戦士ガンタレ外伝２『葵を受け継ぐ者』
※このＳＳは「葵」を「ブルマ」と読むと意味が分かるような分からないような。
「助けるって簡単に言ってもなぁ」
恥ずかしさのあまりか姿をくらました葵ちゃんの行方を追いつつ、オレは並んで歩くセンパイ＝クルス・セ博士にぼやいた。ちなみに、センパイに歩調を合わせているため、移動速度はひっじょーにのろい。
「葵ちゃんが・・・・」
「・・・・・・」
「葵ディスティニーが暴走している限り、オレにもどうしようもないぜ？」
命は惜しいからな。
「葵ちゃんを止めるす〜ぱ〜あいてむ、琴音ちゃんもどっかに行っちゃったし」
「・・・・・・」
「え？葵ディスティニーに対抗する手段がある！？」
こくこく。
詰め寄るオレにうなずいてみせ、センパイは鞄の中からゴソゴソと何かを取り出した。
かすかに見えた希望の光にすがり付くオレが目にしたものは。
二着の蒼いブルマだった。
それぞれ、脇に「BD-2」「BD-3」と書かれてある。
「・・・・って、なんじゃこりゃぁっ！？」
「・・・・・・」
「洗い替えですって、そんなもんオレにどうしろと」
「・・・・・・」
「ブルマ・ディスティニーは性別を選びません、ってことは・・・・」
まさか。
はけというのか、オレに！？
このオレに！？
冗談じゃぁない。
そんなことしてみろ、志保ちゃんニュースのいいネタにされちまうぞ。
『世紀末変態ヒロ、ついにブルマ着用！』
とかいうタタキで、オレが変態だっていう誤った認識が全校に広まってしまうに違いない。
それだけは、絶対に避けねば・・・・。
「そんなモン、はけるか！」
いや、指をくわえて寂しそうにされてもなぁ・・・・。
「・・・・わかった、一応最後の手段って事で、一つだけもらっとくよ」
まあ、センパイが作って葵ちゃんがはく予定だったブルマだしな。
・・・・。
いろいろ使い道も考えられるし。（←鬼畜外道）
それはそれでいいとして。
「それより、もっと安全かつ有効な手段はないもんかねぇ・・・・」
「・・・・・・」
「資料を見ないとわからない？資料は部室にある？オカルト研の？」
こくこく。
うむ、ほんの少しだけ光明が見えたような気がする。
「よし、じゃあその資料をとってくるぜ！センパイはここで待っててくれ」
そのころ。
葵ディスティニーは、再び暴走していた。
校内でも、さすがにこの騒ぎが知れ渡り始めている。
「よぉーっし、彼女を食い止めるぜ」
不敵な笑みを浮かべ、フィリップ橋本がサマナ矢島にそう声をかけた。
「えぇっ！？なんでまた、そんな危ない真似を・・・・」
「バカヤロウ！俺達の名前を売る、絶好の機会じゃねぇか。要は、勝てばいいんだよ」
「そ、そうッスね！シャア少佐だって、戦って出世したんだ！」
その台詞言った時点で、君の運命は確定しているのだが。
「ストォ〜ップ！そこまでだ、葵ちゃん」
「こ、ここで食い止めてみせるッス！」
各々に叫びながら葵ディスティニーの前に躍り出るフィリップとサマナ。
しかし。
ギラリ。
あ、葵ディスティニーの、目がイッちゃってる。
「やってやる。いくら胸板が薄くたって・・・・！」
それ、禁句だよ、サマナ矢島。
葵ディスティニーの表情が、さらに険しくなる。
アシュラ面「怒」って感じだな。
「エグザムシステム・スタンバイ！」
高らかに宣言すると、葵ディスティニーは二人に襲い掛かる。
あ、主にサマナ矢島のほうに。
ガスガスッ、バキッ、ベキッ、ボキッ、バシッ、ゲシゲシゲシッ！
・・・・数秒後。
「・・・・やべぇ、脱出するぜ！」
「うわぁっ！待ってくださいフィリップさぁぁぁん！」
ボロボロになった二人は、ほうほうのていで逃げ出すのであった。
所詮、雑魚である。
葵ディスティニーの暴走は続く。
その強さを聞きつけ、空手部・柔道部・剣道部あたりの勇士が出撃する始末だ。
が、並の連中など葵ディスティニーの敵ではない。
たった一人残された空手部主将は、驚愕に顔を歪ませ叫ばずにはいられなかった。
「バカな・・・・たった一人のエクストリーマーに、これほどの被害を受けるとは！」
だから、その台詞はヤバイって。
ドカッ、ガスッ、バキィッ！
ほら、上段蹴りコンボでフィニッシュされちゃった。
だが、その様子を物陰から垣間見て、ほくそえむ者が一人。
「友軍は全滅・・・・ちょうど良い、これで姿を隠す必要もなくなった」
そして、その人物は物陰から躍り出る！
「蒼き死神よ、エグザムの名の下に、この坂下シュターゼンが葬ってくれる！」
最大戦速で迫る坂下シュターゼン！
葵ディスティニーは、だが冷静にカウンターブローを放つ！
しかし！
ガシィッ！
「クックック・・・・拳士であるこの私に勝てるとでも思っているのか？愚か者めっ！」
不適に言い放つ坂下シュターゼン。
なんと、葵ディスティニーの攻撃を正面から受け止めているではないか。
「なにぃっ！葵ちゃんと、坂下！？」
たまたま、部室へ向かう途中にこの光景に出くわした、アルフ藤田が目をむく。
まさか、葵ディスティニーと互角に渡り合える人間がいようとは。
「私はエグザムに選ばれし拳士なのだッ！私こそがエグザムにふさわしい！」
叫びざま、坂下シュターゼンはローキックを放つ。
その瞬間、アルフ藤田は確かに目にした。
坂下シュターゼンのスカートの下に隠された、蒼いブルマを。サイドに赤いラインが引いてあり「いふりーと」と記されている。
「だぁぁぁ〜〜〜っ！なんか様子がおかしいと思ったら、坂下、お前もか！？」
アルフ藤田の声を無視して、坂下シュターゼンは猛然と葵ディスティニーに襲いかかる。葵ディスティニーもこれに応戦し、互いに一歩も譲らぬ激しい攻防が繰り広げられる。
「葵ちゃんは葵ちゃんで、またエグザムが暴走してるみたいだし・・・・」
もはや投げやりに、アルフ藤田は二人の戦いの行方を見守った。部室に行くためには、どーしてもこの道を通らねばならないからだ。下手にちょっかいを出して、我が身を危険にさらそうな度という考えは、まったくない。
「むぅ・・・・坂下も、なかなかどうしていいケツしてんなぁ」
ちょっと手を出そうかという欲求には駆られているようだ。
別の意味で。
「ん・・・・？」
なんとなく坂下シュターゼンのブルマに見入っていたアルフ藤田は、いち早くその異変に気づいた。
プチプチと、「いふりーと」の繊維が引き千切れつつあるのだ。
「どういうことだ、これは！苛酷な使用に、ブルマが耐え切れなくなったのか！？」
アルフ藤田がそうこう言ううちにも、「いふりーと」の崩壊は急速に進む。
「くッ！」
今や、完全にずり落ちそうになっているブルマを押さえつつ、坂下シュターゼンは葵ディスティニーに体当てを食らわせて転倒させる。
気が付けば、葵ディスティニーのブルマも半ば崩壊しつつあるようだ。
「これ以上は「いふりーと」のブルマが持たんか・・・・しかし！」
坂下シュターゼンは、ポケットから携帯用の小型鋏を取り出すと、動きの鈍った葵ディスティニーを組み伏せ、そのブルマに鋏を入れた。
「おお、万事解決じゃあないのか、これって？」
思わず、アルフ藤田は歓声を上げた。
その声は、坂下シュターゼンの後方下部、ちょうどスカートの中あたりから聞こえてくる。
「・・・・おい(−−#)」
「それにしても、葵ちゃんも坂下も純白か。うむ、なかなか清楚でよろしい」
「覗き込むなぁぁぁっっ！！」
寝そべってスカートの中を覗き込むアルフ藤田の顔面に、坂下シュターゼンのニーキックが落とされた。
「せ、先輩っ！いやぁぁ〜〜っ！！」
続いて、頭頂部に葵ディスティニーの蹴り。
アルフ藤田は、急速に意識が遠のくのを感じていた。
ついつい気が緩んで、スケベ心に身を委ねてしまったことを後悔しながら。
次に目覚めたとき、葵ちゃんが心配そうにオレの顔を覗き込んでいた。
「あ、だ、大丈夫ですか、先輩！？」
ああ、葵ちゃんが元に戻ってくれた・・・・しかも、膝枕状態。うんうん、苦労した甲斐があるぜ。
「で、でも先輩もいけないんですよ、あんなエッチなことするから・・・・」
ま、まあ、ちょっと魔が差したってヤツかなぁ。（汗）
「と、ところで坂下は？」
ちょっと露骨に話題を転じたオレに、葵ちゃんはふるふるとかぶりを振った。
「あの後、鬼のような形相で先輩と私を睨んでから駆け出してしまって・・・・どこに行ったかまでは」
そうか。
なんか、後が恐いな。
そこへ、センパイがよろよろとやってきた。
ん？
なんか、ダメージを受けてるような・・・・？
「センパイ・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・クルス・セ博士。いったい、どうしたんだ？」
「・・・・・・」
「えっ！？坂下に２号ブルマを奪われたぁっ！？」
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