By hirohiro
タッタッタッタッタ・・・・・・・
神社までの階段を一気に駆け上がり、一つ深呼吸をする。
「すぅ・・・はぁ・・・」
葵ちゃんの練習に付き合ってから数ヶ月、これが俺の日課になっていた。
初めは何度も止まっては走りを繰り返していたが、今ではそれももうない。
ストレッチをして体をほぐす。これは念入りにやるようにしている。
前にストレッチをサボった時があったが、
「怪我しちゃいますから、絶対にしてください!!」
なんて怒られてしまった。当たり前といえば当たり前だけどな・・・。
目がマジで怖かったのは内緒だ。
ストレッチも終わり、サンドバックを引っ張り出す。
そして、いつもの樹に吊るす。
よく見ると、もうボロボロだ。もともと貰い物だったらしいけど、それでもこれは・・・
まぁ、毎日のように葵ちゃんの攻撃をうけ続けて来たんだからな。こうなってしまっても不思議は無い。
そのうえ、葵ちゃんの右ハイキックは特に強力だ。
本気で蹴れば、サンドバックが「く」の字に曲がるからな(汗汗)
力が分散せずに一点に集中してる証拠だ。力の逃がし方を知らない奴が受けたら、確実に骨が折れる。
それもこれも綾香に負けてから、さらに練習に打ち込んでいるからだ。
練習するのはいいが、葵ちゃんは休もうとしないのだ。
オーバーワーク気味の時は、遊びに連れて行って息抜きをさせているが、それでも全然休息が足りない。
無理矢理止めて、マッサージをしてやる事もしばしば。
(マッサージはもともと上手かったが、本格的に勉強を始めた。)
そんな葵ちゃんに付いて行こうとするには、強くなるしかなかった。
いや、強くなりたかった。一、専属トレーナーとして、一、恋人として・・・・(赤)
ま、まぁ、あれだ・・・・その、好きな娘に守られてるってのは、嫌だからな・・・。男のつまらないプライドだ。
そんなこんなで、練習を始めようとしたんだが、実力と経験でほとんどの勝負が決まるのが格闘技だ。
両方とも持ち合わせてなかった俺は、葵ちゃん以上に練習をする必要があった。
経験はいずれ付いてくるとしても、実力は本人が努力しなければつかないからな。
どんな練習をしようか迷っていたら、葵ちゃんが一枚の紙をくれた。
それは葵ちゃんが中学のときにやっていた練習メニューで、俺にピッタリらしい。
毎朝のランニング、放課後の練習、帰ってからの筋トレ&ランニングだ。
朝は5キロ、夜は10キロの計15キロだ。
始めたばかりの俺にとってはハードだな。よくやって来れたな、俺・・・。(実際はこれ以上にやっていたけどな)
最近では体が軽く感じられるようになり、ちょっと物足りないぐらいだ。
調子に乗って徹夜で型の練習をしたこともあったな・・・あの後全ての授業を寝て過ごした記憶が(爆)
何をやるのも中途半端だった俺が、こんなに真剣にやるものが見つかるなんて・・・。
それもこれも葵ちゃんのおかげだ。
ついでに寝坊もしなくなったしな(笑)
色々と考えていたら、かなり時間がたったみたいで少し体が冷めていた。
・・・・・・・・ッッッタッタッタッタ・・・・
階段を上ってくる足音が聞こえる。
葵ちゃんだ。
「あっ、せんぱいっ!来てたんですね。」
「おす、葵ちゃん。さぁ始めよっか」
「はい!」
「葵ちゃん」
「なんですか?せんぱい」
「来年は綾香を倒してやろうぜっ!」
「・・・・・はいっ!!」
「いい返事だ。」
そう言って、葵ちゃんの頭をなでる。
「せ、せんぱぁ〜い・・・・(真っ赤)」
今日も2人だけの練習が始まる。
Fin
どうでしたでしょうか?
hirohiroの処女作です。
浩之の独白みたいなものにしたつもりですが、わけわかりませんね(汗)
よろしければ、感想など送ってくださると嬉しい限りです。
hirohiromix@hotmail.comです。
HPはhttp://isweb42.infoseek.co.jp/play/ugulu17/index.htmlです。
こちらの方はまだ全然駄目なのです(やばっ)