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 「愛について」



この作品は、(株)リーフの「To HEART」の世界観を踏襲したSSです。



 今日も今日とて、学校裏の神社の境内にて、練習に励む葵ちゃん・・・って、何やってるんだ???
ほっぺのばんそうこうを外して、髪の毛を緑に染めて、機械的な耳当てをつけて・・・って???
「ふうう、これでマルチさんに見えますよね?・・・って、ああ言葉遣いも変えないといけない ですぅ〜〜〜(汗)。」
 ・・・コスプレ?何のために?と、学校の方から駆けてくる男がいる。こんなとこまで来る物好き は藤田浩之しかおるまい。
「何が、物好きだ?まったく、葵ちゃん専属トレーナー兼葵ちゃんの一番弟子に向かって何を言う んだ?」
 と浩之が・・・、(マルチに化けた)葵を発見する。
「おっ?マルチじゃないか?どうしたんだ?こんなところで?葵ちゃんはどこか知らないか?」
 いきなり問い掛けられて気が動転しそうになる葵・・・、
「すいません、藤田先輩・・・じゃなくて、浩之さまぁ、道に迷ってしまいましたぁ。」
 ・・・おいおい、なんだか凄く恥ずかしいいいわけだな?
「そうか、しょうがないな。まあ、葵ちゃんが来るまでちょっとおしゃべりでもするか?マルチ?」
 心の奥が痛む・・・。でも、この痛みの責任は葵にあるのだから・・・。
「はいっ!お願いします!」
「よしっ!いい返事だな。じゃあ、今日はせっかくだから、松原葵ちゃんっていう頑張り屋さん のお話をするかな?」
「えっ・・・?」
「葵ちゃんは、いまどき珍しいほどの熱血少女なんだな。とにかく、何にでも真剣に一生懸命 頑張れるんだ。これは、非常に貴重な長所だよなあ。」
「・・・そうなんですか。」
「マルチも人間のために、何でも言うことを聞いて、頑張っているんだし、案外気が合うかもな?」
 観念したのか聞き役に徹することにする葵であった。
「まあ、この俺様もその頑張り屋さんのお手伝いをしながら、自分が頑張れるように元気を分けて もらっているんだよな。でもさあ、最近は、どうしても葵ちゃんが可愛くて仕方ないんだ。なんだか 恋人と一緒にいるような雰囲気にもなるし。でも、ただの男女の関係にはしたくないな。葵ちゃんは 葵ちゃんだし、俺は俺だしね。」
「(赤面)きっと、葵さんって人も浩之さんのことが好きなんですよぉ・・・。」

「う〜ん、慕ってくれているのは嬉しいけど、好きかどうかはなあ・・・。俺には分からないよ。 でも、別にそれで良いと思うさ。今はまだ俺の周りには色々な女がいるしな。でもさあ、あかりに も志保にも委員長にもレミィにも芹香先輩にも琴音ちゃんにもみんな近くに良い男がいるしな。俺 でなくてさ・・・。」
「マルチは、人間が大好きですから。」
「そうだな。偉いぞマルチ。(なでなで)」
「あっ・・・(ぽっ)。」
「まあ、俺自身まだまだ恋愛についてはてんでよく分からないし、葵ちゃんもたぶん奥手な娘だ ろうしね。それに、お互いが幸せになれないのに、身体だけ求め合ってもむなしいだけだからさ。 まあ、マルチも誰か好きな人ができたら分かるかもな。」
「わたしは・・・、すべての人間の方が好きなので・・・特定の方は。」
「本当にマルチは良い子だな。俺はこれでも、好きでない女性には冷たくできるからな。それ が却って優しさって奴だろうしな。でも・・・、そうすると、葵ちゃんにもマルチにも優しい俺 ってさあ・・・、二股かなあ?」
「・・・きっと、葵さんは優しい人のことが大好きなんですよぉ。」
「まあいいわ、今日はグチを聞いてもらって悪かったな。マルチ。バス停まで送ってくぜ。」
「いえ、綾香様と約束があるんで、わたしはここに残るですぅ。」
「なら仕方ねえな。綾香に会ってもいいんだが、今日は、ビデオセット忘れてるから帰るわ。 じゃあな、マルチ!」
「はいっ!また明日ですぅ。」
 ・・・去って行く浩之。そして・・・、
「(ぼそっと)・・・そんな、藤田先輩もわたしのことが(赤面)。」
 良かったね?葵ちゃん。


おしまい♪

 (1999・2・12)



(後書きという名前の言い訳)


 ってなあ、短いなあこれ(爆)。しかもなあ・・・、ただ会話のみで進めてしまう強引さ(笑)。
本当に、才能はない。ないが、愛があるのでOKだな(爆)。というわけでへろへろでしたあ。




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